蒸気温熱シートによる湿熱加温が健康な若年女性の排尿回数およびQOLに与える影響を明らかにする目的で、健康な若年女性50名を対象に、1日の排尿回数を調査し、排尿回数が7回/日以上の15名を対象として、蒸気温熱シートを3日間(対照期3日)貼付(腰部適用7名、下腹部適用8名;平均貼付時間9.3±1.9/日)し、排尿回数とQOL、バイタルサインの変化を測定した。その結果、腰部あるいは下腹部への湿熱加温により、排尿回数の有意な減少を認めた。QOL(MOS36-Item Short-Form Health Survey-v2;SF-36v2)の変化では有意な改善は認められなかったが、下位尺度「日常役割機能(精神)において改善傾向が認められた。38〜40℃の穏やかな湿熱加温は自律神経活動を刺激し、交感神経活動の抑制あるいは副交感神経活動の亢進を促すことが報告されており、本試験においても湿熱加温による自律神経活動の変化が排尿回数の有意な変化およびQOLの改善をもたらす可能性が示唆された。
キーワード
warming、young female adults、frequency of urination、QOL、SF-36v2