目的:極小切開白内障手術後の角膜形状に切開創サイズが与える影響を検討した。方法:屈折異常、白内障以外に眼疾患を有さない20症例40眼を対象に、片眼は2.4mm、僚眼は2.2mm(10眼)または3.0mm(10眼)のmicroincision coaxial surgeryで超音波水晶体乳化吸引術(phacoemulsification and aspiration:PEA)、眼内レンズ挿入術を施行した。術前、術後1日、1週、1ヵ月において、惹起乱視およびOrbscanTM(Orbtek社)で測定した角膜前面、後面におけるBest Fit Sphere(BFS)を各切開群で比較検討した。結果:惹起乱視は術後1日で2.2mm切開群と2.4mm切開群では2.2mm群が少なく(p<0.05)、2.4mm切開群と3.0mm切開群では2.4mm群が少なかった(p<0.05)。しかし、その後の期間では有意差を認めなかった。またBFSに関しては全期間で各群間に有意差は認めなかった。結論:本研究のmicroincision coaxial surgeryでは、術後1ヵ月で切開創サイズによる角膜形状への影響は少なかった。