アジア・ブロードバンドネットワークを活用した眼科遠隔医療支援に関する実証実験を行った.シンガポールとタイを相手国として,立体ハイビジョン(3D-HD)方式による遠隔医療プラットフォームの要件検証,ROI(Region of Interest)方式を活用した眼科における遠隔医療プラットフォームの要件検証の2つの実験を行った.3D-HD方式による国際間遠隔医療は極めて有用で,構築した遠隔医療プラットフォームが,医療従事者にとって操作しやすいものであった.3D-HD方式によって伝送・表示された立体ハイビジョン映像の奥行き感は,90%以上の被験者が自然に見えると回答した.ROI方式は,ROIの品質やプラットフォームの操作性に問題がなかった.通信帯域幅が狭い地域においても,ROI方式を用いる遠隔医療支援が実用可能であることが判明した.