2003年初から2007年末までに下腿動脈病変を主病変とする重症虚血肢182例190肢に対して臨んだbypass first strategyの治療成績を、透析群104例106肢(男76例、女28例、平均年齢71.1歳)と非透析群78例84肢(男56例、女22例、平均年齢62.7歳)に分けて後方視的に検討した。4年累積1次、2次グラフト開存率、救肢率、生存率はそれぞれ、非透析群で67.6%、94.2%、99.0%、80.2%、透析群で65.9%、89.1%、86.3%、38.2%であった。重症虚血肢であっても非透析例では救肢後良好な生命予後が示唆され、長い余命を期待できる症例には下腿末梢ないし足部への静脈グラフトを用いたバイパス術が第一選択であるべきであると考えられた。