Power Track II MMTコマンダー(コマンダー)を用いて肘関節の屈曲および伸展運動での等尺性筋力を測定し、検者間、検者内での再現性を評価した。検者間の検討では検者2名でそれぞれ同一被検者6名に対し膝関節の屈曲、伸展筋力測定を行い、検者内の検討では2名の検者それぞれ同一被検者に対し日を変えて3回の測定を行った。また更に、膝関節に症状・既往のない健常成人60例を対象とし、A群(20〜39歳)・B群(40〜59歳)・C群(60歳以上)の3群に分類し、各群男女10例に対し肘関節筋力の測定を行い年代差の検討を行った。測定方法は、仰臥位で膝関節を90°屈曲位、前腕回外位、肩関節中間位とした状態で前腕遠位にコマンダーをあて測定した。再現性の検討では、検者間・検者内ともに高い再現性が得られた。屈曲筋力では、男性では利き手・非利き手ともに加齢に伴い低下する傾向がみられ、A・C群間で利き手・非利き手ともに有意差がみられた。女性では利き手・非利き手ともB群が最大で、A・B群間の非利き手で有意差がみられた。伸展筋力では、男性では非利き手で加齢に伴い低下する傾向がみられたが、女性では加齢に伴い利き手・非利き手ともに筋力が増大する傾向がみられ、A・B群間およびA・C群間の非利き手で有意差がみられた。