血栓を多量に有した右冠動脈閉塞による急性心筋梗塞の2症例を報告した.症例1:69歳男.胸部灼熱感を主訴とした.血栓を処置することでステント留置が容易になるよう,又,distal embolization等を背景とする再灌流障害の予防も目的として,Pulse Infusion Thrombolysis(PIT)を施行した.症例2:75歳女.胸部圧迫感を主訴とした.マルチリンクステントを用い,STENE in STENTを試みたが無効であったので,PITを施行した.その結果,ステント内の血栓形成を効果的に抑制でき,造影遅延のない良好な冠血流を得ることができた.PIT.は血栓溶解療法とplain old balloon angioplasty/STENTの併用に有効であるだけでなく,ステント内血栓性再閉塞に対してのbail out deviceとしても有用である