日本各地で採集されたタヌキマダニ,アカコッコマダニ,ハシブトマダニから5株のスピロヘータを分離培養することに成功した.これらのスピロヘータはモノクローナル抗体(H 9724, H 5332)との反応性からライム病病原体Borrelia burgdorferiと同定したが,シュルツェマダニやヤマトマダニが保有するスピロヘータとは菌体表層蛋白の組成が異なっていた.日本ではシュルツェマダニをライム病の主要な媒介者と考えて良い状況にあるが,他にマダニもスピロヘータを保有しているので,媒介者に関する疫学的解釈には慎重になるべきであろう