中枢性片麻痺31例に,非脱分極性筋弛緩薬パンクロニウムを投与し,健側と麻痺側のtrain of four ratio (TOFR)の反応差につき検討した.パンクロニウム投与後の健側と麻痺側のTOFR値の差が20%以上の17例(グループ1)とそれ以下の14例(グループ2)に大別した.麻痺が3週間以上経過例はグループ1, 3週間以内例の大部分はグループ2に属した.麻痺の性質は,28例が弛緩性で,両群にほぼ同等に含まれた.痙性は3例と少なかったが,全例グループ1に属した.筋力低下の程度と両側のTOFR値の差は相関しなかった